本学校法人の高等教育機関である東日本国際大学は、創設二十周年を迎えました。また同時に、その揺籃である、いわき短期大学も創立五十年を迎えることとなりました。本年は、学校法人昌平黌にとって、まさしく記念すべき年となったといえるでしょう。
そして、こうした輝かしい歴史の一ページを、新たに開く出来事が起こりました。本学の建学の精神である儒学・『論語』より、新時代の学びを新たに開拓することを目指す、『論語』サークル「いわき論語塾」の創設です。本サークルの理念は、学生たちにより、次のように決定されました。
強く起ち上がらんとする、この「いわき」にて、
東洋の叡智の結晶たる『論語』を学び、
松下村「塾」のように闊達に議論を行い、
ここ「いわき」の地より、儒学の新地平を拓く。
そして本サークルは、この理念を一つに合わせて、「いわき論語塾」と名付けられることとなりました。
いわき論語塾の定期的な活動としては、ほぼ二か月に各一回の読書会と討論会の開催が挙げられます。
具体的には、読書会にて『論語』を読み、そして討論会では、読書会の成果をもとに、塾生各自が自身の人生観と照らし合わせた新たな解釈を作成して、その場で討論を重ねていく形式をとっています。
なお討論会には、年齢帯の異なる学生以外の方も参加し、学生の幅広いディベート力を養う一助となっていただいております。討論によって、相手を打ち負かすだけでなく、認め合い共生していくことを通じて、学生の人間力を育成することを目指しています。
そして、これらの活動は、同時にキャリア教育と連動しています。いわき論語塾の塾生たちは、日々のディベートを通じて、社会人として必要不可欠な交渉力を身に付けております。いわき論語塾の塾生たちの姿勢は、就活時に最大の人間力を発揮できる「人財」そのものであり、同時に人間啓蒙という、このサークルが醸し出す共通の息吹ともなっているのです。
そして、この討論会の様子をまとめたのが、超訳『論語』集「知新」です。この『論語』の新解釈からは、震災から立ち上がらんとする、いわきの、否日本の若人の新たな胎動が感じ取れるものとなっていることでありましょう。そして、討論を記録している部分からは、明日のいわきを、日本を担わんとする学生の熱き気迫がみなぎっていることが、ご理解していただけると存じます。
今後は、さらに多くの『論語』の章句について、新たな解釈を行い、議論を深めて参る所存です。そして、その結果を、本サイト「いわき論語塾」のホームページ上に公開して、世に問うていきたいと考えております。ご関係の先生方、皆さま方におかれましては、厚いご助力をお願いするとともに、ぜひとも、超訳『論語』集「知新」を、ご笑覧いただきたいと思います。読後には必ず、若き学生たちによる、仁や志に対する「新たな知見」を得ることができると思われます。
また、みなさまには、ぜひ忌憚のないご意見・ご感想をご教示いただければ幸いに存じます。「知新」の著者たちは、まさしく「後生畏るべし」と称することができる学生たちばかりです。みなさま方からのご意見を今後の指針とさせていただきますので、何卒、忌憚のない御雅正を、よろしくお願い申し上げます。
2016.05 | 「いわき論語塾」 創立 |
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2016.10 | 「鎌山祭」 展示部門 第一位 |
2016.11 | 超訳『論語』集 「知新」 創刊号 発行 |
2016.11 | 大学人サミット参加 |