5月26日に第2回討論会を行いました。
第1回討論会のテーマと同じく、「陳に在りて糧を絶つ。従者病みて能く興つこと莫し。子路慍りて見えて曰く、君子も亦窮すること有るか。子曰く、君子固より窮す。小人窮すれば斯に濫る。」を議論しました。
今回の討論会の争点は「小人」についての解釈です。「小人」は「君子」の対義語です。
「君子」を強調させるために使われることが多く、「小人」単体の意味を考えることは少ないです。ですが今回の討論会では「小人」の意味も考えてきた発表者が多かったです。
上記の通り「小人」には単語としての意味がないため、「君子」と比較して意味を考える必要があります。「君子」は立派な人やそのまま君子と解釈している方が大半でした。「小人」の解釈については立派な人の反対になるようなストレートな解釈や古代ローマの階級に位置付けて市民と解釈した方もいました。
今回の討論会の総評としては、わたしたち学生らしい解釈や個性溢れる解釈が多くあり、いわき論語塾として活発な討論が出来たと思います。
(小野)
『論語』衛霊公第十五 第二章
【原文】
在陳絶糧、従者病莫能興、子路慍見曰、君子亦有窮乎、子曰、君子固窮、小人窮斯濫矣。
【書き下し文】
陳に在りて糧を絶つ。従者病みて能く興(た)つこと莫(な)し。子路慍(いか)りて見(まみ)えて曰く、「君子も亦(また)窮すること有るか。」子曰く、「君子固(もと)より窮す。小人窮すれば斯(ここ)に濫(みだ)る。」
【現代語訳】
陳の国で食糧がなくなり、お供の人々は疲れはてて立ち上がることもできなかった。子路が腹をたててお目みえすると、「〔修養をつんだ〕君子でも困窮することがあるのですか。」といった。先生はいわれた、「君子ももちろん困窮する、だが小人は困窮するとでたらめになるよ。」
(金谷治『論語』、岩波文庫1963)
4月27日、東日本国際大学・いわき短期大学の論語を学ぶサークル「いわき論語塾」の2018年度第1回討論会が開催されました。
新年度をむかえ、新たな気持ちでスタートです。
今回は、『論語』衛霊公第十五第2章「陳に在りて糧を絶つ。従者病みて能く興(た)つこと莫(な)し。子路慍(いか)りて見(まみ)えて曰く、君子も亦窮すること有るか。子曰く、君子固(もと)より窮す。小人窮すれば斯(ここ)に濫(みだ)る。」(「在陳絶糧、従者病、莫能興。子路慍見曰、「君子亦有窮乎?」子曰、「君子固窮、小人窮斯濫矣。」)の章句が題材です。
各自が決めたテーマによって、自分で考えた「君子」とはどんなものかを語り合いました。
今回は、「小人」に焦点を合わせて議論をしました。『論語』で一般的に使われている「小人」という解釈や、自分なりの「小人」の解釈を考え、それと共に「君子」とはについて考えました。
さらに「孔子と子路がどうしてこのような問答をしたのか?」という時代背景や心情なども考えて解釈し各々が前回よりもより深い部分まで討論をしました。
今回が初めての解釈の発表をするという学生もおり、今までとは違った新しい解釈も出てきました。「初めての発表で少し緊張しましたが、自分なりに解釈して討論するのは楽しかったです」と感想を語ってくれました。次回の討論会でも良い議論ができるよう自分自身の考えを深めていきたいと思います。
(木滑)
私は足利学校の釈奠に参加しました。釈奠とは東日本国際大学における孔子祭前の儀式のことです。
足利学校は、日本で最も古い大学であり、また東日本国際大学と同じく、儒学に起源を持つ学校であるため、非常に関係の深い組織でもあります。
足利学校の釈奠では、中国古代の方法によりお供え物を供えたり、雅楽が演奏されたりと、さすが「日本最古の大学」と思うことがありました。
最後に余談ですが、足利学校には貴重な書物が、多く保存されており、国宝も存在しています。
その中には、『儒学』の発祥の地である中国にはもう残っていない『論語正義』などもあります。
文化的に素晴らしい場所だと思いますので、ぜひみなさんも一度訪れてみてください。
小野
昨年度に引き続き、論語サークル・いわき論語塾が、東日本国際大学・いわき短期大学主催の第44回鎌山祭に参加しました。
鎌山祭には、本学OB・OGの方だけでなく、地域の多くの方々にも参加いただいている大きなイベントです。
いわき論語塾は、様々な部活やゼミ・サークルが活動を発表する展示部門に参加し、2年連続で第一位をいただきました。ご関係のみなさま、本当にありがとうございました。
ただ、結果だけがすべてではなく、その準備の過程においても、多くを学ぶことができました。
1か月前から、メンバー全員でミーテイングを重ねました。展示の飾り付けやデザインを計画・構想し、前もって、『超訳論語集「知新」』第2号に掲載予定の討論会の原稿や論語クイズ、さらには論語に関係する書籍の紹介などの展示物の準備をしました。
また、当日には来てくださった方への接客など協力して進めていくのは大変でしたが、目標に向かって作業をすることは、私たちの貴重な経験になりました。今後も、目標に向かって頑張っていきたいと考えておりますので、「いわき論語塾」の活動へのご理解・ご協力を、よろしくお願い申し上げます。
いわき論語塾「知新」編集長 江井真美